不定期連載
    登川 誠仁 放談 (1)
 11月15日午後4時頃、庭の草取り中のセー小さんを訪ねた。

聞き手 「キャンパスのホームページにあなたのお話を掲載して、これがまとまったら一冊の本にしようと思っています。登川誠仁の『聞き書き』ということで。

セー小 (話しを聞き流して)「おい、『ヤハタ(草)』(の和名)は、なんと言うのか?」

聞き手 「ヤハタ?」

セー小 「これよ、これ。(と、ヤハタ草<和名、紫カタバミ>を見せる)これはよ、昔中国に琉球国王の命令で派遣された人が、国王にお土産といって持ち帰って来たもので・・・、この花きれいでしょ?(だから)うちなーの王様は、こんなきれいな花は、独り占めしてはいけないといって、田舎とか、あちこちにばら撒いた。あとは畑とか何処かしこに大繁殖してしまって、デージ(大変)なってからに・・・、(ヤハタをむしり取る)今では、こうして暇をつくっては刈る。・・・(ヤハタは)大和口ではなんていうかねぇ?」

聞き手 「・・・帰ってから辞典引いて調べてみます」

セー小 「メハジキってあるでしょ、あれに似てるよこれ」

聞き手 「メハジキ」

セー小 「メハジチャー。実が熟したときに触るとハジケて、目に飛んでくる。だから、メ(目)ハジチャーという。ヤハタと同じだよ。
気骨もなく、仕事も何もしない人を『このヤハタイムン!』というけど、あちこちに勝手に繁殖して嫌がられるこのヤハタから名付けられたんじゃないかと私は思っているんだが・・・」

聞き手 「登川説?」

セー小 「うん。自分勝手に思っている。私の説。ウフフ。」

聞き手 (気を取り直して)「あのですね」

セー小 「イヒヒ、なにが『あのですね』?」

聞き手 「えー、全国の登川誠仁ファンに一言」

セー小 「なにか?一言というのは?・・・ああ、はいはい(趣旨を思い出して)『皆さんにはお世話になりました。ニフェーデービタン(ありがとうございました)』」

聞き手 「ついでに、いい仕事の募集でも(笑)」

セー小 「んー、やさや(そうだね)・・・。(草取りを続行しつつ)あー、ヤハタというのはこうやって・・・」

 *また、ヤハタの話しに戻る。

(中略)

聞き手 「草取りする人を追っかけながらのインタビューは大変です」

セー小 「追っかけられる人も大変だよ。イヒヒ」

*話題は変わって

セー小 「私がタウチー(闘鶏)を養っていたときは、隣のオカー(おばさん)にお願いして、隣に生えてるタンポポまで私がもらっていた。タウチーはタンポポをよく食べるからよ。また、これ(タンポポの葉)の汁はマーサン(おいしい)」

聞き手 「あぁ、昔食べたことあるなぁ」

セー小 「これは、肝臓とか胃の薬!」

聞き手 「ほう」

セー小 「うん。これよ、ニガナ(文字通り苦い野菜)より苦いよ!」

聞き手 「ハハハ、ニガナよりニガイ」

セー小 「でーじなまーさん(とてもおいしい)。肝小・・・豚レバーとよ(一緒に食べる)」

聞き手 「豚レバーとね」

セー小 「私は、薬(といわれているもの)は、何でも食べるが、薬より多く酒飲むからね。だから、薬にはならないわけ。ウフフ。」

聞き手  「ハハハ、薬がおっつかない」

セー小 「私の家(の庭)より多く漢方薬を植えているところは他に無いはずよ。見てもわかるでしょう?」

聞き手 「はいはい、てーげーのむん(大概のもの)はありますね。」

セー小 「いろいろ、何でも・・・」

 *草取りの手を止めずに、セー小の世間話は続いた。
その途中、近所の妙齢の女性が前の道を歩いてゆくのを見つけて、一言。

セー小 「今日はお尻触ってもいい日ねぇ?」

女性 「ダメー!」

聞き手 「・・・おそろしい」



*編集注 コンサートに一度でも通ったことがある方ならわかると思うのですが、実際のセー小さんの語りは、純粋(?)な沖縄口(うちなーぐち)です。インタビュアーもウチナー口で受け答えをしております。万人にわかるようにとブロークンにしました。
・・・本当は方言のほうがもっと、おもしろいです。


(つづく)