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| 「浮世真中」が本になりました! ニュース |
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| 2005年 6月30日 連載 エッセイ 「浮世真ん中」(191) <誰がッ・・・・> 2005年のその日。 沖縄のNHK、民放各社のラジオ・テレビは、特別番組を放送した。 6月23日。日米戦争の沖縄における地上戦が終結した日である。あの日から、60年目にあたり、例年そうであるが、正午の時報を合図に県民は、特別な想いを胸に1分間の黙祷を捧げた。 最大の激戦地になった沖縄本島南部にある糸満市摩文仁<いとまんし まぶに>の平和祈念公園では、県主催「戦後60周年沖縄全戦没者追悼式」が行われた。参列した小泉純一郎首相は、 「沖縄県民をはじめ、最愛の肉親を失ったご遺族の深い悲しみと心の痛みは、今も癒えることはない」 と、述べた上で、 「二度と悲惨な戦争を経験することがないよう、将来にわたって平和を大切に守っていかなければならない」 と、不戦を誓った。加えて、在沖米軍基地の整理・縮小に向けて、全力で取り組む意向も示した。 一方、同日早朝。 日本軍・沖縄防衛第32軍司令官牛島満陸軍中将<のちに大将>が自決した糸満市摩文仁の「黎明の塔」前では、陸上自衛隊那覇駐屯地の幹部や隊員約100人が慰霊祭を行った。戦没者追悼式場と目と鼻の先の地である。君塚栄治第一混成団長は、 「沖縄を守るために戦った第32軍を、現在の沖縄の防衛を担うわれわれが追悼するのは、大切なこと」 と、意義を強調。この慰霊祭には、県内のほとんどの部隊長や航空自衛隊の幹部らも出席(有志を募って開いた個人的行事)とし、鎮魂のラッパが鳴り響く中、全員で黙祷を捧げ、焼香をした。さらに、君塚団長は、 「今日の慰霊祭は、個人的での参加ということをお含み置いていただきたい」 とした後、牛島中将率いる第32軍が(沖縄の防衛任務に死力を尽くした)点を強調、 「いざとなれば、県民のために命をささげる、同じ任務を担うわれわれが、将兵を追悼するのは意義あることだ」 と、挨拶している。 ![]() 牛島中将は、明治20年<1887年>7月31日、鹿児島県高麗町に生まれた。明治34年<1901年>陸軍士官学校卒業。大正5年<1916年>陸軍大学校卒業。昭和12年<1937年>歩兵第36旅団長として、中国北部、中部を転戦。のちに陸軍士官学校校長に就任。昭和19年<1944年>8月11日、第32軍司令官として沖縄に着任。昭和20年4月、米軍が沖縄に上陸すると、首里城に置いた司令部にあって、日本軍を指揮した。しかし、陸・空からの猛攻撃には抗しきれず、同年5月27日、首里を撤退。摩文仁の洞窟司令部に移ったが、戦況不利。6月23日早朝自決。享年57歳。 昭和20年。戦前の日本の国民学校は「小学校」に改められた。私はその年の1年生。 学校と言っても、校舎があるわけでもなく、俗に言われた青空教室、露天教室のもと、地べたに坐って先生の話を聞いたり、地面に「いろは」を書く毎日であった。 初夏から真夏。陽射しが強くなると短縮授業、あるいは休校。雨天はもちろん、台風発生でまた休校。何をどう教わったか、皆目、記憶にない。しかし、親兄弟に手を引かれ、山中や洞窟を転々としていた(避難)の恐怖感から解放されて、同じ年ごろの子どもだけが集まる学校が楽しかったことだけは、鮮やかに覚えている。 その1年生だった子どもも、今日67歳。 小学校4年生と1年生と1歳の内孫、2歳と1歳の外孫、5人とも女児の爺である。 かつて、小中高校を共にした同級生が集まって(われら1年生の戦争)を語り合うことがあるが、毎年4月から6月になると、決まって語り草になる友人の孫ばなしがある。 彼も6年前に定年退職。4人の孫がいる。孫たちに「爺・小学生の戦争」を語り聞かせていると、孫のひとり、小学校3年生が問いかけてきた。 「爺。戦死って、どういうこと?」 「戦死ッ。戦争で・・・・戦って死ぬことだ」 「ふーん。爺は戦わなかったから戦死しなかったんだね。よかったッ」 「・・・・・・」 「でも、戦死した人を殺したのは誰?」 「んッ・・・・」 返事に詰まって、いまもって明確に答えてないそうな。いや、答えを知らないのが本音のようだ。そして、この時期、爺たちのはなしは、チャーリー・チャップリンの映画「殺人狂時代」にまでおよぶ。栄華を求める男が富豪令嬢に偽りの愛で接近。最終的には彼女を殺害する。殺人犯として逮捕され、死刑を宣告された男は、ラストシーンで叫ぶ。 「戦争で何百万人を殺せば英雄。一人を殺せば殺人犯ッ」 |
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| 2005年6月分 |
| 週刊上原直彦(191)<誰がッ・・・・> |
| 週刊上原直彦(190)<悪魔の島か・沖縄> |
| 週刊上原直彦(189)<ウチの藍ちゃん・ゴルフ> |
| 週刊上原直彦(188)<女童改み> |
| 週刊上原直彦(187)<時代・世代・年代> |