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「浮世真中」が本になります!! ニュース |
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2004年 9月30日 ♪肝合ぁちょてぃどぅ 仕事ん はまいる ヤリクヌシー <はやし>サー ハリガヨンシー ヤリクヌシー ♪イートゥん さんしぇー 坊主ぬニングル ヤリクヌシー <はやし>サーハリガヨンシー ヤリクヌシー 訳=ちむ あーちょうてぃどぅ しぐとぅん はまいる=心を合わせてこそ、仕事は、はかどるもの。 イートゥんさんしぇ ぼうじぬ ニングル=イートゥも発しないのは、坊主の情婦だぞッ。 「地ぶくにー」という作業がある。本土の「よいとまけ」のような地ならしのうた。掛け声の文句を書いてみた。「地」は地面。「ぶく」は土くれ。「にー」は、練る。こねるの意。 イートゥは、歌、あるいは、労働時に交わし合う掛け声を意味する。 王府時代から明治、大正、昭和初期まで、公用地、建築用地の地ならしや道普請等は、ほとんど、地域の人々の総出による労力でなされた。人は、黙っていては力仕事は出来ないもので、エイヤッとか、ワッショイなどと、気の入った声を発する。そのことで、実力、いや、それ以上の力を発揮するものだ。祭り、スポーツしかり。 これら、気合の入った掛け声、労働歌を「イートゥ」と言い、「おもろそうし」の中の「ゑとおもろ」の「ゑと」は、掛け声、歌を意味する古語としている。 ゑと。イートゥ。イトゥ。 奄美大島諸島にも「イトゥ」と称する歌があって、「仕事唄」と位置づけている。 では。 なぜ「イートゥも発しないのは、坊主のニングル」なのか。 ニングルは、懇ろ<ねんごろ>の沖縄語。辞書に、(1)大事にするさま。(2)むつましいさま(3)男女が情を通じているさま。とある。沖縄語では、(3)が強調されて情婦、妾、情夫をさしている。そこで、ニングルと坊主。どう関わっているか、はっきりさせておかなければなるまい。 またぞろ、辞書のお世話になる。 坊主=僧侶。出家。世俗の生活を捨てて、仏門に入ること。また、その人。とある。 したがって、 ♪イートゥんさんしぇ 坊主ぬニングル は、皆が共同労働をしているにもかかわらず、ひとり、協調しない者は寺入りせよ。出家せよ。俗世を離れよ、言い放って、庶民は運命共同体であることを説いているのである。フユウなむん<なまけもの>に投げかけるイートゥなのだ。 かと言って、イートゥの文句は、すべて、教訓的かというとそうでもない。 イートゥの形式は、いまに受け継がれてい、即興歌、狂歌として残っている。 昭和初期の道普請唄「県道節」では、 ♪現場監督ふぜいが、金縁眼鏡なぞかけて、オシャレのつもりかいッ。なんぼのもんじゃ。われら人夫の野良着の方がよっぽどマシじゃワイ! ♪監督はいいなぁ。命令だけして給金を取る。人夫ときたら、まるで牛馬扱いだ。 ♪いかに監督が働けとハッパをかけても、根詰めて働くなよッ。どうせ人夫は時間給。時間暮らしをしていればよい。 などとイートゥする。そして、時には、色っぽい歌も投げ掛け合う。 また、瓦ぶきの家屋の瓦を接着するムチ<漆喰>つき歌「ムチちちゃー唄」では、 ♪漆喰作りの重労働の辛さは、誰も知るまい。経験者でなければ分かるまい。 ♪この重労働。誰が好んでするものか。銭金の不自由を補うためだ。貧苦ゆえだ。 まったくの辛苦を訴えるイートゥになっている。 八重山の人々が、労働時に歌った「ゆんた」も、イートゥの系譜と位置づけてもよいと思われる。 ![]() 2003年9月上演。琉球粋人伝「渡嘉敷ぺーくー物語=上原直彦作。北村三郎演出、主演」の道普請<地ぶくにー>の場。 |
| 2004年9月分 |
| 週刊上原直彦(153)<イートゥ・労働歌> |
| 週刊上原直彦(152)<英哲翁との会話> |
| 週刊上原直彦(151)<それぞれの老> |
| 週刊上原直彦(150)<台風一過> |
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