毎週 木曜日発行!!  平成13年 11月1日創刊
週刊 上原 直彦 ニュース
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3月21日

連載 エッセイ
      「浮世真ん中」(21)

*うちなぁ口講座

沖縄語。一般的に沖縄口<うちなぁ ぐち>と言い、他に島言葉<しま くとぅば>島口<しまぐち>の言い方もある。従って、各地の言葉は、例えば、那覇口<なぁふぁ ぐち>首里言葉<すい くとぅば>首里物言ぃ<すい むぬ ゐぃ>八重山口<えぇま ぐち。やゐま ぐち>宮古口<なぁく ぐち。まぁく ぐち>のように、その地名に口、言葉をつける。日本語の××弁を××口としているのである。
外国語や地方語をモノにするには、まず、単語から入るといいとされている。それも、体の部分の名称から覚え、使うと慣れ易いのではなかろうか。
体そのものを胴<どぅ>と言い、胴体の転語。また、胴は我れ。自分自身をも意味する。例=自分たち<どぅなぁ たぁ>*自分から<どぅから>
*頭=ちぶる。*毛=きぃ。きからじは頭髪。*顔=かう。*面=ちら<ツラの転語>。丁寧語では<みゅんち>*額=ふぃちゃい。むこう。*盆の窪=後る窪<うしる くぶ>*頬<ふう>*えくぼ=ふう くぶん。*眉=目眉<みぃ まゆ>*目=みぃ。*瞼=目皮<みぃ がぁ。目を保護している皮>*まつげ=まちぎ。*眼球=目ん玉<みいたま>*白目=しる みぃ。*瞳=目ぬ芯<みぃぬしん>*鼻=はな。丁寧語<御鼻。んぱな>*口=くち。丁寧語<御口。みくち>*耳=みみ。*耳たぶ=みんだい。
そして、ミンダイをふくめ、そとに出ている部分を<耳ぬ葉。みみぬ ふぁ>と言い、デイゴやクワディサー<和名ももたまな>のそれと同じく<葉>にしたところが面白い。また、ちょっと、理屈を言えば、言葉の<葉>で、収音の役割を果たす部分を言い当てている。
*顎=かくじ。*顎の先端=うとぅげぇ。九州一円では<おとがい>と言うそうだが、どうか。*歯=はぁ。丁寧語<御歯。んぱぁ>*舌=しば。*喉=ぬうでぃ。*喉ちんこ=ぬうでぃ うぁぐぁ。*腹=わた。俗語<わたぶとぅ>。出っ腹の人をワタブーと言い、コザ独立国大統領照屋林助氏の芸「ワタブーショウ」は、彼の体形<ワタブー>そのままの名称である。
*背中=ながに。くし ながに。*胸=んに。*乳=ちぃ。*肩=かた。*腕=うでぃ。カイナの場合は<けぇな。けんな>*手=てぃ。*手のひら=てぃぬふぃら。<手ぬ腹。てぃぬ わた。とも言う>*手の甲=てぃっこう。*指=いゐび。*爪=ちみ。*親指=大指。うふいゐび。*人差し指=さし いゐび。*中指=なかいゐび。*薬指=ならし いゐび。または、あぁし いゐび。*小指=いゐびんぐぁ。*胸毛=んに ぎぃ。*臍=ふす。てんぶす。本島北部では<てんぷす>*出臍の人=てんぶさぁ。
さて。
ヘソまできたら、三寸下に移らなければならないが、表現が法的に制約されている日本国。国民の常識にてらし割愛する。どうしても、学術的に研究したい方の欲求には個人的に応える用意はある。
*尻=ちび。*腿<もも>=むむ。*ふくらはぎ=くんだ。

小休止。

言葉土産物=くとぅば なぁじむん。
安来節の“出雲名物荷物にゃならぬ 聞いてお帰り安来節”の通り、言葉は荷物にならない。心に染ればよい。しかも、その地方の文化を知る上で大いなる手掛り、入口である。北に旅して東北弁を土産にする。関西に寄って大阪弁京都弁をひとつ覚える。元気がもらえる。また、ついでに、東京で「・・・・ちゃった」の「・・・・だぜッ」だの口にしてみると、ちょいと、恰好ついたような気がする。さらに、九州へ行けば沖縄口によく似た言葉に出会える。鹿児島を入口として交流を深くしていたことが分かる。
各都道府県に都花、府花、県花があるように、各地の言葉、訛りを自由に操って語り合いたい。

 次号は2002年3月28日発刊です!

3月分
週刊上原直彦(22)*看板・かぁぎ・看板小
週刊上原直彦(21)*うちなぁ口講座
週刊上原直彦(20)*美声悪声・絹声・荒芭蕉声
週刊上原直彦(19)*ちんだみ<調絃>


「週刊 上原 直彦」発刊は
あの、「週刊 文春」と同日の毎週木曜日です!!